当院では、最新の超音波画像観察装置(超音波エコー装置)を導入しています。
あくまでも施術の判断材料の一つですが、問診・視診・触診と併せて行うことで、病態の把握が正確に出来るようになりました。
まず超音波はご存知ですか?
超音波といえばコウモリやイルカが会話をしたり位置を感知することに利用していることがよく知られています。
また、超音波エコー検査というと産婦人科で妊婦健診の際、赤ちゃんの画像をみることに使うイメージがあると思います。
もちろんそういった使い方もされていますが、最近では運動器の臨床の現場で使用されることが多くなってきました。
エコーはプローブと呼ばれる端子から超音波を発生させ、組織に当てて跳ね返ってきた超音波を画像処理して画面上で見ることができるようにするという装置です。
例えば骨であれば硬い組織なので超音波が跳ね返りやすくなります。筋肉であれば水分量が多く柔らかいので超音波の跳ね返りは骨に比べて少なくなります。
そういう跳ね返りの差を画像処理して画面表示することにより、どの組織なのかを判別します。
運動器に対して使用する場合、骨・軟骨・靭帯・腱・筋肉・筋膜などの軟部組織の観察をすることができます。
最近では超音波エコー装置の画像処理能力が向上し、リアルタイムに組織の損傷度合、動態の観察が可能になりました。
もちろんエコーでわからないことも多々あります。CTやレントゲン、MRIのほうがいい場合もあります。
ただ、MRIでわからないところもエコーでわかったりすることもあります。
レントゲンやCTと異なり、人体に直接放射線を浴びることがないので、小さなお子様や妊娠中の方でも安心してご使用いただくことができます。
また、人体に無害なので、繰り返し使用して経過を観察することができます。
レントゲンやMRI画像のような静止画とは違い、筋肉や関節を動かしながら観察できるので、よりリアルに患部を診ることができます。
そのため、レントゲンでは映らなかった骨折や軟部組織(筋肉・腱・靭帯等)の損傷・血種などもくまなく検査することができます。
画像検査というと大掛かりな装置をイメージされると思いますが、超音波画像観察装置は非常にコンパクトな為、持ち運びやベッドサイドでの検査を簡易に行うことができます。
トレーナー活動の現場に持っていき、その場で検査できるのでスポーツトレーナーの大きな味方となっています。
検査自体も数分から十数分で終わります。
患者様がご自分のケガの状態を画面上でリアルタイムで確認することができるので、視覚的に病態を把握することができます。
1. 骨折があるかどうか(レントゲンに映らない骨折もあります)
2. 膝に水が溜まっていないか
3. 肉離れや捻挫した部位がどれくらいの期間で治るか
4. 打撲した部位の筋肉損傷や内出血の様子
5. 筋・筋膜・骨・腱・靭帯の断裂や損傷の程度
6. どれくらい炎症を起こしているのか